中性子基礎物理グループ

中性子は寿命が約15分と比較的安定な粒子です。 電気的に中性ですが、磁気モーメントを持ちます。重力相互作用、電磁気相互作用、弱い力、強い力と自然界の4つの力全てを感じます。中性子をプローブとして基礎物理法則の探求を行っています。

超冷中性子 

運動エネルギーが300neV程度以下の中性子は超冷中性子と呼ばれます。 一般の物質の中性子に対するポテンシャルは数100neVであるため、それより小さな運動エネルギーしか持たないたない超冷中性子は物質表面で全反射します。 そのため超冷中性子は物質容器の中にため込み長期間観測可能で、精密測定に適しています。

電気双極子モーメント 

中性子等の基本的にな粒子が対称性を持つ場合、時間反転(T)対称性が破れます。ローレンツ対称性から導かれるCPT対称性を仮定すれば、T対称性の破れはCP対称性の破れと同義です。CP対称性の破れは物質・反物質対称性の破れとも呼ばれます。中性子が有限の大きさを持つことで現在の物質優勢宇宙の起源を説明することができるのではと世界中で探索が行われています。